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2026年W杯グループF徹底予想:日本代表はオランダ・チュニジア・欧州プレーオフ勢とどう戦うべきか

【令和7年】2025年12月7日(日)

目次

2026年ワールドカップ、日本の戦いはどうなる?グループFを徹底予想

2026年のFIFAワールドカップ(アメリカ・カナダ・メキシコ共催)で、日本代表はグループFに入りました。

対戦相手は、ヨーロッパの強豪オランダ、アフリカで鉄壁の予選を戦い抜いたチュニジア、そして欧州プレーオフBを勝ち上がるチーム(ウクライナ/スウェーデン/ポーランド/アルバニアのいずれか)。
ここでは、日本代表とその対戦相手の「現状」と「データ」を整理しながら、グループリーグの展開をサポーター目線で予想していきます。

大会フォーマットとグループFの位置づけ

まず前提として、2026年大会は出場48カ国・12グループ制です。

各グループ4チームで総当たりを行い、上位2カ国に加えて成績上位の3位チーム8カ国がラウンド32(決勝トーナメント1回戦)に進出します。
グループFは次の4チームで構成されます。

チーム大陸予選での位置づけW杯出場回数FIFAランク(2025年11月時点)
オランダUEFA(欧州)欧州予選グループG 1位通過12回目7位前後
日本AFC(アジア)AFC最終予選グループC 1位通過8回目連続出場18位前後
チュニジアCAF(アフリカ)アフリカ予選グループH 1位通過7回目40位前後
欧州プレーオフB勝者UEFA(欧州)ウクライナ/スウェーデン/ポーランド/アルバニアの勝者国によるおおむね30位前後想定

組み合わせ全体を俯瞰する海外メディアでも、「オランダと日本が中心だが、チュニジアとプレーオフ勝者も侮れないバランス型のグループ」と評されており、日本は「十分に突破を狙えるが、少しも気を抜けない組」に入ったと言えます。

日本代表の現状:アジアを一歩抜け出した「継続と進化」

予選データから見る日本代表

日本は2025年3月、埼玉スタジアムでのバーレーン戦に2-0で勝利し、開催国を除けば世界で最も早く本大会出場を決めました。

これでワールドカップは8大会連続出場。

AFC最終予選では、サウジアラビア、オーストラリアといった常連国と同居しながらも、ここまで無敗(6勝1分)ペースで首位独走という内容で、「アジアの中では頭ひとつ抜けた存在」という評価が定着しています。

数字面では、

  • 失点の少なさ(クリーンシートの多さ)
  • 複数得点試合の多さ
  • 得点者の分散(FWだけでなくMF、SBなど多くのポジションから得点)

が目立っており、「守備の安定と攻撃の多様性」が武器になっていることが分かります。

プレースタイル・戦術的な特徴

森保一監督の日本代表は、

  • 3-4-2-1か4-2-3-1を基調とした柔軟なシステム
  • 前線からの連動したハイプレス
  • サイドバックの高い位置取りとインサイドハーフのポジションローテーション
  • ショートカウンターとポゼッションの両立

といった現代的なスタイルを志向しています。

2022年カタール大会では、ドイツ・スペインといった強豪を撃破した一方、クロアチアとのPK戦敗退で「あと一歩」の悔しさも味わいました。

その経験を踏まえ、現在の日本は「ビッグネーム相手にも臆さないメンタル」と「勝ち切るクオリティ」の両方を追求している段階です。

日本代表の主な注目選手

細かいメンバーは大会直前で変動の余地がありますが、現状の流れから見ると、次のような軸が想定されます。

  • 遠藤航(ボランチ):欧州トップクラブでプレーするキャプテン。守備の強度とゲームコントロール、リーダーシップでチームを支える存在です。
  • 久保建英(攻撃的MF/ウイング):ラ・リーガで結果を出し続けるエース格。カットインからの左足のシュート、スルーパス、プレスバックまでこなす“攻撃の心臓”です。
  • 堂安律・三笘薫らウイング勢:1対1で仕掛けられるサイドアタッカーが複数いるのが日本の強み。試合展開や相手SBとの相性で入れ替えながら、90分通してサイドの脅威を維持できます。
  • 冨安健洋らDFライン:欧州で実績を積んだCB・SB陣は、対人守備とビルドアップの両方で高いレベルにあります。オランダの空中戦・チュニジアのロングボールに対応できるかが鍵です。

まとめると、日本は「アジアを超えて世界基準へ」というフェーズに入り、データ面でも内容面でも、過去のどの世代よりも“優勝”を視野に入れたチームになっていると言えます。

対戦相手の現状:オランダ・チュニジア・欧州プレーオフ勢

オランダ代表:タレント揃いの“完成度の高い強豪”

オランダは、ヨーロッパ予選グループGを首位で突破し、12回目のワールドカップ出場を決めました。

監督はロナルド・クーマン。指揮官自身が「このチームには多くの品質がある」と語るほど、スカッドへの自信を隠していません。

スタイルとしては、

  • 3バックと4バックを使い分ける可変システム
  • ボールを保持しながらも、前線のスピードと高さを生かしたダイレクトな攻撃
  • フィジカルに優れたCB陣を軸にした堅い守備

といった特徴があります。
中心選手は、

  • フィルジル・ファン・ダイク(CB):守備リーダーとして空中戦・1対1・ビルドアップのすべてで世界トップクラス。
  • フレンキー・デ・ヨング(CM):最終ライン付近まで降りてボールを引き出し、前線へ最適なパスコースを見つける司令塔。
  • メンフィス・デパイや若手FW陣:個で決め切る力を持つアタッカー陣がそろい、セットプレーも強力です。

日本から見ると、「守備の集中を一瞬でも切ると決められる」「ビハインドになると一気に主導権を握られる」タイプの相手。

一方で、オランダは“波”が出る試合もあり、プレスをかいくぐって日本がショートカウンターを出せれば、十分に勝機のある相手でもあります。

チュニジア代表:予選無失点の“アフリカ最強クラスの守備”

チュニジアは、アフリカ予選グループHを9勝1分の無敗、22得点0失点という驚異的な成績で突破し、7回目のワールドカップ出場を決めました。

現在の監督はサミ・トラベルシ。守備組織と粘り強さをベースにしたチーム作りを進めています。

プレースタイルのポイントは、

  • 自陣でブロックを敷く堅い守備と、ボランチを中心としたコンパクトな守備陣形
  • ボール奪取後、サイドやトップにいるスピードとテクニックのある選手へ素早く配球するカウンター
  • セットプレーの高さとキック精度

です。

注目選手としては、

  • ハンニバル・メイブリー(MF):欧州で経験を積む攻撃的MF。運動量と戦う姿勢に加え、スルーパスやミドルシュートも持っています。
  • フェルジャニ・サッシ(MF):中盤での守備と配球を担うベテラン。試合の“間”を作れる存在です。
  • DF陣は名前よりも「組織力」で勝負するタイプで、ラインコントロールが巧みです。

数字が示す通り、チュニジアは「守ってカウンター」の精度が非常に高いチームです。

日本にとっては、ボールを持たされる展開が予想されるだけに、「いかに先に点を取るか」と「ロングカウンターをどう抑えるか」が最大のテーマになります。

欧州プレーオフB勝者:ウクライナ/スウェーデン/ポーランド/アルバニア

最後の1枠は、欧州プレーオフBの勝者。

構成国はウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアです。いずれが来ても「ヨーロッパらしい守備組織」と「個の決定力」を兼ね備えたチームになる可能性が高いです。

  • ウクライナ:ハイプレスとショートカウンターが武器。若いタレントと戦うメンタリティが強み。
  • スウェーデン:堅守速攻のお手本のようなチーム。高さのあるFWと固い4バックが特徴。
  • ポーランド:伝統的に高身長FWとセットプレーが強い。世代交代の最中ですが、決定力は侮れません。
  • アルバニア:近年伸びているダークホース的存在。守備で粘り、少ないチャンスをものにするタイプです。

日本としては、「どの国が来るか」によってゲームプランが少し変わりますが、いずれにしても“簡単な相手”は一つもありません。

グループリーグ3試合の展開予想

第1戦:オランダ戦 ― “耐えながら刺す”ゲームプラン

オランダ戦は、グループFの開幕カードとして位置づけられる見込みです。
ここで日本が取りたいのは、

  • 最低でも勝点1(できれば勝点3)
  • 大量失点を避けること

の2点です。

展開予想としては、

  • 序盤はオランダがボールを持ち、日本が中盤でブロックを敷きながらカウンターを狙う
  • 日本のサイド攻撃と2列目からの飛び出しで、オランダCBの背後を突けるかどうか
  • セットプレーやクロス対応で、ファン・ダイクを中心とした高さをどう封じるか

が鍵です。

特に、日本の右サイド(例:久保+攻撃的SB)とオランダの左SBのマッチアップは、試合の流れを左右するポイントになりそうです。守備陣が耐え、数少ないチャンスを決め切れれば、日本にとって大きなアップセットも十分にあり得ます。

第2戦:チュニジア戦 ― “崩し切れるか”が最大のテーマ

チュニジアは予選無失点というデータが示す通り、「0-0でもOK、ワンチャンスで1-0を狙う」タイプのチームです。日本にとっては、ここがグループ突破の最重要試合になる可能性が高いです。

想定される展開は、

  • 日本がボールを持ち、チュニジアが自陣で4-5-1や4-4-2のブロックを形成
  • サイドチェンジや3人目の動きを使って、コンパクトな守備ブロックをどう広げるか
  • ミドルシュートやセットプレーで「こじ開ける」オプションをどれだけ増やせるか

です。

日本側としては、

  • ビルドアップでリスクをかけ過ぎず、カウンターの芽を早めに潰す
  • 0-0でも焦れないメンタル
  • 途中交代で流れを変えられるアタッカー(ドリブラー・ターゲットマン)の投入

が決定的なポイントになります。
「90分かけて1点をもぎ取る」くらいのイメージで、粘り強く戦えるかどうかが問われる一戦です。

第3戦:欧州プレーオフ勝者戦 ― 条件付きの“勝負どころ”に

最終節の相手となる欧州プレーオフ勝者戦は、勝点状況によって意味合いが大きく変わってきます。

  • オランダ戦・チュニジア戦で4〜6ポイント取れていれば、「引き分けでもOK、勝てば1位通過」の試合に。
  • 逆に勝点の積み上げに失敗している場合は、「勝たなければ終わり」の一発勝負に。

いずれにせよ、欧州の中堅国は、

  • 組織的な4バックと中盤のブロック
  • ストライカーやトップ下の個の一発
  • セットプレーの高さ・駆け引き

といった「日本が欧州勢に苦しめられてきたポイント」をしっかり持っています。

ここで重要になるのは、

  • 大会本番までに「欧州中堅レベル」との強化試合をどれだけ積めるか
  • 試合中にシステムを変えられる柔軟性(3バック化、2トップ化など)
  • 勝点状況に応じてリスクをどこまで取るかのゲームマネジメント

です。
森保ジャパンはこれまでも大会中にシステム変更やメンバーの大胆な入れ替えを行ってきたので、その経験値をどう生かすかが最終節で問われることになるでしょう。

日本がグループ突破・さらにその先へ進むためのポイント

1. 「守備の安定」をベースに、オランダ戦のダメージを最小限に

グループ最強格のオランダ戦で大事なのは、勝つこと以上に「負け方」です。
仮に敗れたとしても、

  • 失点を最小限に抑える(得失点差で不利にならない)
  • 内容面で「やれる」という感触をつかむ

ことができれば、残り2試合にポジティブな影響を与えます。
日本の強みである組織的な守備とハイプレスで、“簡単には崩れない日本”を世界に見せつけたいところです。

2. チュニジア戦で「主導権を握りながら勝ち切る」経験を

アジアでは「ボールを持って崩す」展開に慣れている日本ですが、W杯本番で「自分たちが格上扱いされる試合」をきっちり勝ち切るのは簡単ではありません。
チュニジア戦は、まさにその試金石になります。

日本に必要なのは、

  • セットプレーやミドルシュートを含めた多彩な崩しパターン
  • 0-0の時間帯でもスタジアム全体を味方につけるメンタル
  • 交代カードを含めた「試合終盤のギアアップ」

です。
この試合で勝点3を取れれば、日本のグループ突破の可能性は一気に高まります。

3. 欧州プレーオフ勝者との“決戦”に向けた準備

ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアのいずれが来ても、「欧州のしぶとさ」と「決定力」を兼ね備えた相手です。
日本としては、

  • 親善試合や強化試合で、同タイプの相手とできるだけ多く戦うこと
  • セットプレー守備の精度を最後まで高めておくこと
  • 1点ビハインドからでも「ひっくり返せる」プランB・プランCを用意しておくこと

が重要になります。

まとめ:日本代表は“史上最強クラス”のチャンスを生かせるか

データと現状を整理すると、

  • 日本はアジア予選を余裕を持って突破し、内容でも過去最高レベルの安定感を誇っている
  • オランダはタレント揃いの優勝候補の一角だが、ゲーム運び次第でアップセットも狙える
  • チュニジアは無失点予選が象徴する守備力が脅威で、「崩し切れるか」の勝負になる
  • 欧州プレーオフ勝者は、いずれも「欧州中堅レベル」のクオリティを持つ厄介な相手

という構図が見えてきます。

サポーター目線で言えば、このグループFは、

  • オランダ戦で世界トップへの距離を測り、
  • チュニジア戦で「格上として勝ち切る力」を示し、
  • 最終節で欧州勢との“真っ向勝負”に挑む

という、非常にワクワクするストーリーを描ける組み合わせです。

森保ジャパンは、すでに「ドイツ・スペインを倒した世代」です。
2026年アメリカの地で、今度こそベスト16の壁を越え、その先のベスト8、そしてアジア初の頂点へ――。
グループFは、その大きな夢に向けた最初の関門であり、同時に「日本サッカーの到達点」を世界に示すステージになるはずです。

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